相変わらず仕事は終わっていない。

にもかかわらず、「まだ明日があるじゃないか」と現実逃避。こればっかり。
Amazonより段ボール箱が届く。
そのなかから一冊を読みはじめてしまい、止まらなかったのだ。

ファイアボール・ブルース2 (文春文庫)

ファイアボール・ブルース2 (文春文庫)

またしても桐野作品。
うだつの上がらぬ女子プロレスラー近田の一人語りですすむ物語。
女子プロレスの世界は知らぬが、眼前に光景が浮かんでくる。
ただし、私ごときの貧困な想像力ゆえ、東京の町並みはご近所の某県庁所在地市の場末の雰囲気だし、練習場となる工場(だったよな)は、かつてアルバイトしたことがある高圧ボイラ製造工場だったり、本田技研工業の孫請け部品製造工場だったりするし、試合のリングに至っては深夜枠に成り下がってしまったプロレス中継番組のそれしか思い浮かばないのではあるが。
しかしながら、この物語の語り部である近田が付き人をしている、先輩であり花形レスラーである火渡の台詞が理解できなかったり、同僚レスラーに嫉妬したり、他人の思惑に振り回され、自分だけが後になって気が付いたりするあたりに共感してしまった。