祖母、92歳

突如めまいを訴え、倒れる。
失語症状、嘔吐(おうと)も繰り返す。
たまたま居合わせた父とともに即119番に電話。救急車で休日当番医のもとへ。
素人判断では脳梗塞(こうそく)を疑った。
年も年だし、帰らぬ人になっても仕方はない。
思いのほか動揺しつつ、一方でそんなあきらめも抱きながら救急車に同乗した私。
集中治療室に運ばれた祖母はひととおりの検査を受けたが、そこはそれ、当直のお医者さんも専門ではないため断定的な物言いはなさらない。CTスキャンだかMRIだかの結果からも確認できるほどの外的な損傷は見あたらないという。
「一時的な血栓の疑いがありますので、血流を良くするための点滴をしております」との説明と、その後失語症状が回復した祖母に面会し、ほっと胸をなでおろした。
即入院だ。
大仰にも救急車を呼んでしまったため、むしろ祖母本人が「もうだめなんじゃないか」と精神的なダメージを被ってしまったようだ。
ばあちゃん、すまんかった。