悪い父親が帰ってきた(2日目)

昨日帰宅した父は、相変わらずわがまま放題であったようだ。
本日は、主催イベント開催日であるため家人が眠っている間に家を出た。イベントは、多数の問題を抱えながらも好天に恵まれたおかげで初期の目標を達成し終了。
すべての後始末を終えて帰宅したところ、父の愛車(軽トラック)が移動しているではないか。さらによく見てみると、父のセカンドカーであるトラクターも移動している。
脳梗塞(こうそく)による失語症状はあるものの、基本的な日常生活は送れるとはいえ、ほとんど初歩的な会話(になってはおらぬが)しかできないうえに、それ以前から視神経もやられているらしい父である。車になど乗せてはならないのだが、ついうっかり軽トラックの鍵を目につく場所に置いてしまっていたため、夕方近くに近所に乗っていってしまったという。トラクターに至っては、鍵は常時差しっぱなしであったのだ。
おそらく父のこと、強がって自分ができることの範囲はすべて自分でやりたいのだ。会話が成立するしないにかかわらず近所には挨拶しておきたかったのだ。
うかつであった。きちんと隠しておかなくてはならなかったのだ。万が一事故でもおこした日には大変なことになる。父本人よりもそれを野放しにしておいた家族の責任が問われてしまう。
リハビリテーションによっていくらか(仮に)回復したとしても、視覚障害があるような人物に車を運転させてはいかん。大いに反省したのだが、今回の一時帰宅で父はきっと「ああ、運転することはできた。退院後は勝手にバリバリ運転して近所くらいには行くもんね。言葉は通じないけど自分のことは自分で(誰に止められようが)するもんね。今日はできたし」くらいにしか思っていないのだ。
しかし、我らの言うことの半分も理解できていない様子の父のこと、言って聞かせるのも現段階では難しいだろう。ああ悔やまれる。
こんどはきちんと鍵を隠しておこう。あらゆるものに関して。