恩師、68歳に

中学時代の恩師*1が同じ町内に住んでいる。
かつては一方的に教えを請う立場であったが、いまや立場は対等か、若しくは逆転気味。ああ、恩師よ、居丈高で自信満々に見えたけれども実はたいしたこと無い(部分がむしろ多い)んだね。と思うと、中学時代の忌まわしい記憶についても腹は立たなくなってしまった。
そんな恩師に、携帯電話番号を教えてからこちら、コンピュータにかかわる疑問が生じるやいなや電話をくださるようになった。
パソコン、ファクス、デジカメ、インターネット、電話機、など、思いついたら思いついたときにすかさず疑問を解決しようとなさるその姿勢には学ぶところ多い。ストレートに「迷惑です」と断り切らないあたり、「僕も大人になっちゃった」というところだろうか。
たいていたわいもない質問をなさるこの恩師から、携帯電話だ。
「グーなんとかアーなんとかって知ってるか?」
「???」この年代の方に外来語は難しい。しばしのやりとりの後、判明。
「それってGoogle Earthじゃありませんか?」
「そんななまえだったかもしれない。とにかく、なんだか我が家の庭が眺められるって言うじゃないか。ワシにもできるのかい?」
てなことで、お宅訪問し、疑問を解決したうえで、すばらしいGoogleEarthの世界を見せてあげることに。
恩師の接続環境は未だにダイアルアップだそうな。GoogleEarth起動中には通話料金がかかってしまうことを重々説明し、ダウンロード、インストール作業を終える。
「こりゃすごい。これがありゃ、しばらく外出できないくらい楽しめるぞ。ワシもニートの仲間入りじゃ」
マウス操作でかなりのことができるとあって、すっかり恩師もご満悦。
ウェブ2.0の恩恵を受ける68歳のおじいちゃんとふたりで、パソコンの前で午前様。

*1:この恩師、そういえば、父と同い年。同じ学校で同じ学年だったそうです。