失語症の父、冒険の旅に

父と母はそろって地元のご近所さんたちとともに長崎・平戸方面に一泊二日のバスツアーに出かけた。
父が倒れる前から毎年の恒例行事らしく、近所の人たちが毎月ちょっとずつ積み立てを行い年に一度の旅行に出かけているらしい。
どうもわが母はそのツアーの幹事らしく、直前まで一人あたりの経費を安くしようとあらゆる知人に「アナタ、いかない、旅行」と誘いをかけていた。
最終的に何人になって、一人あたりの旅費がいくらになったかなどはさっぱりうかがい知らぬが、ともあれ、失語の父も一緒に出かけていった。
この旅行メンバーには、すっかり立派な認知症者となった母の兄や、わが父と同じく脳梗塞を患い、若干失行の症状がある近所のおばちゃんらも参加するそうだ。わが父を含め、すっかりリハビリツアーの様相だ。
楽しく行ってらっしゃい。