面倒なこと、2件

秋の収穫を終え、農作業は一段落しているものの、既に来年度の作付に向けて種々の準備が始まっている。
JAからは、来年度稲作に向けての資材注文をせかす連絡があった。今週いっぱいに注文をしなくては共同購入の恩典が受けられないらしい。
父が寝静まったころ合いを見計らって「どうするよ」と相談。
ついつい声のボリュームが絞りきれなくなってしまったところで、人一倍高いプライドと認知に障害を併せ持つ父に聞きつけられ、相談はすっかり中断。
失語症の一つ「語漏」という症状特有の、なんだか念仏のようなさっぱり意味が分からぬ泣き言に訳も分からず相づちを打っているうちに小一時間はあっという間に過ぎ、眠たくなったので話を無理矢理打ち切りみんな仲良く就寝。今夜は結論が出せずじまい。
我が家の農作業すべてを司ってきた父は、今でも当然「できるに違いない」と思っている。が、母と私と主治医らと町の介護認定審査会の見解は「要介護1」なのだ。彼のワガママに付き合っていたのでは我が家の身上は潰れてしまうだろう。一方で、父の唯一の趣味である農業=厳密に言えば高性能大型農機具を操ること=はさせられない。させたくないのだ。
一体どのように諫めたらよいのか、諫めることはできるのか、諫めるべきなのか、事故を覚悟で父が思うように放任してしまった方がよいのか、悩んでしまう。そして今夜も先送り。