一瞬の風に…

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- 一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- 一瞬の風になれ 第三部 -ドン-
ああ、後悔先に立たず。さわやかな、実にさわやかすぎる読後感。後ろめたくてたまらない。歯痒い。
この小説にあるスポーツをすることの根源的な楽しみと、いろいろな人たちと、関わり合い、ともに成長していくことのつらさや楽しさ、たしか私自身の高校時代にだってあったような気がする。
決して強くはない(むしろ弱小)所属チームで、決して楽しいだけではないが、自分たち自身でいまの自分たちに何が欠けていてどんなトレーニングが必要かを考え、辛いながらも自分たち自身で決めたことを実践し、現実にモノにしていく過程が確かにあった。そこには確かに何かを得ている、成長しているという実感があったように思う。
「もしもあのとき」「もうちょっとあそこで」などとは思いたくない。「後悔する」という行為の何とも言えない自分自身に対する罪悪感、将来や過去の自分に対する後ろめたさを始めて学んだのが高校時代だったような気がする。
以来、後悔を積み重ねている。反省はするが、同じ轍を何度でも踏んでいる。懲りない。