祖母を見舞う

胃瘻(ろう)の手術を終えた祖母の病室には「面会時にはナースステーションにお立ち寄りください」という札が下がっていた。手術前にはそんな札もなく、自由に見舞いもできていたのだがどういうことなのだかわからぬまま、一応ナースステーション前で会釈をし、「何号室のU子の孫です」などと礼儀正しくごあいさつをして面会をしていた。
母親によれば、胃瘻の傷跡が定着したらすぐに療養型の病院に転院を迫られそうだと聞かされていたのだが、当初担当医と話していた病院とは別の病院に紹介状を書いたから撮りに来いと電話があったそうな。どうやら祖母はMRSAの保菌者であったらしく、当初予定されていた病院には院内感染防止のための方策が取れないらしく、別の老人病院を紹介されたらしい。胃瘻の造成以降、医者の言いなりだ。選択の余地はほとんどないことくらい分かってはいるけれど、どんどん他人に祖母の行く末を決められているようで、なんだかすっきりしない。