田舎町といえど

職場の同僚は、ムカゴを蒔いたという。蔓性の植物を窓辺にはわせて日光を遮る「緑のカーテン」に使うのだという。
どちらかというとそのあとのジネンジョやムカゴの収穫のほうが楽しみだと伝えたところ、その同僚はムカゴを食べたことがないと言う。
田舎町に住んでおり、ちょっと歩けばジネンジョのツルがそこいら中に生えてるし、去年の秋にはあらゆるところでムカゴを拾って歩いていた私としては、同じ街に住むほぼ同世代の同僚が田舎の珍味を知らずに30数年育ってきてしまったことを憂いつつ、蕩々とムカゴの味と食感を説明し、いかに珍味であるかを言って聞かせてあげた。
この秋は、緑のカーテンからムカゴとジネンジョを収穫して一杯やろうじゃないかと二人で皮算用