小作契約

かつてのお隣さん所有の田圃を、今年も預かって作ることにしている。決して儲かる訳ではない。むしろ持ち出しばかり。きちんと計算したら全く赤字。そんなところにもって「これまでよりも小作料を上げてもらえないか」との申し出があった。こちらとすれば、田んぼを管理してあげているだけでもありがたいと思ってもらいたいのにその上小作料(お米現物)の支払いをあげてくれなどとよくいえたと思う。とはいえ、町の小作契約の目安は、上田の場合で10アールあたり12000円。米の価格が下がっているが、米本位制ならば10アールあたり1俵(60キログラム)というところか。これで換算すれば、だいたい1ヘクタールあまりの土地を借りているので10俵程度となる。ただしこれは上田の場合。先方から借りている田んぼは上田とはいいがたいレベル。三分の二程度の額だとしても、6〜7俵が妥当な数字だと思われる。
しかし、現実には借りている田んぼのうち半分しか作付けしていない。残りは荒らしっぱなし。十分契約解除に値する不届きな管理者なのだ。そんな状況もあるのであまり強くはいえない。
結局、父の容態のことなど、特殊事情も理解してもらった上で6俵(米袋にして12袋)で手を打ち、契約書を交わした。年に一度、このときくらいにしか会わないお隣さんなのに、昔は一緒に遊んでいたのに、この他人行儀さは何だ。