高次脳に機能障害を持つ父は、火付けがお好き

春の田植えシーズンを前にした3月中下旬以降、田んぼ周囲のあぜなどを焼き払う野焼きの時期である。
実際に火を入れようとすれば、これには自治体の火入れ許可というものが必要なのだ。父が現役で農作業をしていたとき、彼は火入れ許可申請をしていたのだろうか。ひとまず今日、役所に火入れ許可申請をしてきた。
先日来、父は火をつけたくてたまらないようで、押しとどめるのが大変である。ここ最近では野焼きによる死者も出ているらしくて、担当の方から「乾燥注意報や強風注意報がでているときは厳禁ですよ」とくぎを刺された。火をつけるのは簡単なのだが、延焼がおっかない。父はというと、乾燥すればするほどよく燃えるし、少々風が吹くくらいの時のほうがよく燃えるくらいに思っているらしく、風が吹くたびに火をつけにいきたくなるようなのだ。やっかいである。心配なので、ライターなどの道具はすべて隠したのだが、必至に探している様が気の毒でもある。でも、あんたにゃ任せられない。