気になるフレーズをメモ。記憶の正体について。


人間の記憶とは-<中略>-「想起した瞬間に作り出されている何ものか」なのである。
つまり過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいのではなく、今、懐かしいという状態にあるに過ぎない。
ビビッドなものがあるとすれば、それは過去がビビッドなのではなく、たった今、ビビッドな感覚の中にいるということである。
我が脳みそがなにやら見たり聞いたり感じたりしていることどもは、今、これを書いているこの場で、その都度、脳みそのペプチドが生成していること。こうして認めておくことで、過ぎ去ろうとしている今のこの感覚をできることならば再びこの文章を目にしたそのときに同じように思い起こせるようにするためしていること。いくらこの記述が確かなものだったとしても、再びこれを目にしたときの私の状態によってはこのフレーズが腑に落ちたと思ったつい今しがたの気持ちをきちんと再現できるかどうかわからないということ。