久坂部作品読了

「無痛」読了。

無痛 (幻冬舎文庫)

無痛 (幻冬舎文庫)

かつて無痛症の人と会ったことがある。といっても先天性の方ではなく、国立ハンセン病療養所長島愛生園を尋ね、隔離されていたハンセン病患者の皆さんに会ったのだ。かれこれ20年前、学生時代のことである。
痛みなんてない方がいい、不快なことなど感じなければどんなに楽ちんだろうと思っていたのだが、長島愛生園で出会ったじいさん婆さんたちの風貌を見、話を聞くにつれ、不快を感じることができる能力がなければ生存し続けることなどできないのだ、という当たり前のことを学んだ。
これまでも久坂部作品を何作か興味深く読んだが、この「無痛」というテーマをどう取り扱っていくのか非常に興味深く読んだ。