「偽装農家」読了

偽装農家は、営農意欲も能力もないままに農地を資産として抱えている「土地持ち非農家」とともに、農地を錬金術の種にしています。小規模稲作農家の大多数は偽装農家と見なして構いません。

1ヘクタールの稲作兼業農家としてはとっても胸が痛む言説。農地を非効率にしか使えないし、管理もおぼつかない。農業一本槍の専業農家の邪魔をしているだけだと言うことも自覚してはいる。わが家や、わが家と同レベルの農家が「農家です」と名乗っているのも確かである。ほんのわずかな既得権にしがみついているといわれても仕方ない。サラリーのうちかなりの割合をつぎ込んでいるが、だからといって農地の適切な管理人としてきちんと管理できているかどうかは甚だ怪しい。
わが家のことだけを棚に上げてものをいうなら、こんな非効率な農家にはもっと高率の税金、宅地並みの課税を行っても構わないのではないかとさえ思う。

現状のままでは偽装農家や「土地持ち非農家」など、農業に対して意欲も能力も低い人々ばかりが得をして、真面目に農業に取り組んでいる人々が損をする一方なのです。このような不平等を放置したまま何もせずにいるということが、果たして許されるべきでしょうか。

実は常々上述のようなことは考えていた。専業農家の方々は景気の波やネコの目農政に翻弄され続けているが、わが家のような弱小農家はたいした影響も受けることなくのうのうと継続している。本来わが家のような弱小農家にこそ農業会から退いて欲しいのだが、もっともしぶとくしつこく生き残っているのである。ある意味では大いなる無駄である。だからといってわが家を排除してもらっては困るのだが。こうした弱小農家も社会の保険、危険分散、みたいなものではなかろうか。大目に見てはもらえないだろうか。