祖母は96歳

先日お亡くなりになった森繁久彌さんは祖母よりも1月ほど若かったようだ。享年96歳。まずはご冥福をお祈りする。
本日の出張先から直接祖母の入院先に立ち寄り、見舞って帰った。さすがに寝たきりの96歳は、あの世の予行演習でもなさっておられるのだろう目覚めている時間は短いらしい。よほどタイミングが合わなければ目を覚ましていてくれない。今日はお目覚めであった。
しかし目覚めているとはいえ、私の声かけも聞こえているのかいないのか、目の前で手を振っても、私の顔を近づけても、視線の反応が観察できない。目覚めながらも夢の世界の住人のようである。目覚めながらにして私に感心を持ってもらえない状態というのは、人としての意識がどんどん失われている証拠なのではなかろうかと考えると、むしろ眠り続けてくれている方がもしかしたら目覚めたときになにか言葉でも発してくれるんじゃないかなんて希望が持てるだけマシなのではないかと思った。うつろな目線の祖母を観察しているのが辛くて、洗濯物だけいそいそとバッグに詰めて早々に退散してしまった。