父のため我が家のため、私のため

火災予防のため仏壇からロウソクを撤去した。毎朝夕お詣りを欠かさぬ父の挙動が全く信用できないための暫定的な対処である。しかし父の礼拝は仏壇だけじゃあなかった。我が家裏の永代墓地の石灯籠にも、毎朝夕ご丁寧に火を入れてるのだった。
夕方ほぼ定刻にお詣りセットを私と母の目の前で振り回してロウソクが無いじゃないか!!とアピールを繰り返す父。いくら言い聞かせたって癇癪を起こしてしまった父には通用せず、結局こちらが折れて買い与えることにした。
父のプライドに関わることなので、相応しい対処法はないものかと菩提寺の住職にも相談してみたのだが、火の元をすんなり召し上げできる妙案は思いつかないという。住職から「数分で燃え尽きてしまう短いロウソクがある」と聞き、閉店寸前のスーパーマーケットで買い与えることでなんとか治まりをつけた。
彼の表情、言動、行動に、我が身の行く末を見ている訳だが、果たして私はこれら一連の対処に耐えられるのだろうか?(対処と記したが正しい表現じゃあないよな。書かないけど)