父の容体

父の胃で成長しているできものは、いわゆる癌ってやつらしい。父の日常的な立ち居振る舞いを見る限りでは全く外部から観察できるような症状もなく、父自信も自覚症状は感じておらぬようである。おかげで相変わらずの傍若無人ぶりに母も私も辟易してるわけだが。
本日改めて検査を受けるとともに今後の処置について相談してきたらしい。検査の結果、胃部に穿孔手術を施して患部を摘出するらしい。大昔のように大きく切開するほどの手術ではないという。72歳という年齢の割には若くみえる上、実際鍛え方が我らと違うので体力も申し分ないという。手術にも充分耐えうると見込まれるので9月半ばあたりに手術と相成る。もともと不整脈持ちであるためついでに心臓にペースメーカーを埋めましょうってことにもなったらしい。正直言って、脳みその回路が回復して彼の性格が元に戻ってくれることなくして肉体のみ長持ちしたって仕様がない。頭と心と体がほどよいバランスで老いていくのが一番。しかしそんなことは望んだとて得られる状態ではなく贅沢きわまりないことなのである。
しかし技術の進歩って素晴らしい。当の本人の意志などお構いなしだよ。患部に軟膏塗る程度に手術できちゃうんだから。