疎外感と徒労感

新聞紙面で「農家への戸別所得補償に規模拡大加算」の記事を見つける。国や経済界は我が家のように非効率で不経済な弱小兼業農家に対しては常に早期の退席を求め続けてきた。「せいぜいサラリー突っ込んでできるところまでおやりなさいな。オタクは趣味でなさっておられるんですよね。で、いつ廃業なさいます?」と言われ続けて幾星霜、TPPによってついにところばらい目前か?
いまの農村で多数を占めて占めている兼業農家(我が家含め)は農地の管理者としては不経済な存在であることは認めざるを得ない。しかし今や田舎社会の構成員として農村文化の継承者として住まい続けることすら叶わぬようになるんだろうか。
農家に生まれたという既得権と義務、あと少しでチャラになるのか。街に生まれた多数の人は農業に関する権利も義務も持ち合わせることなく歩んでおられることを思うと、あぁ農家っていろいろ刹那的な欲求をガマンし続けて田舎に縛り付けられてきたけどこれも大いなる安定感と引き換えにした贅沢な存在だったのかもしれない。
これから兼業農家は本当に初めて本格的にまたしても路頭に迷う。それでも都市に住まう農家以外の皆さんが日々直面している不安定感よりはましだったということか。
いまや農家人口数パーセント、社会に対して自力で発言力は持ちようがない。民意はどっちだ!!