これまでに読めなかった本たちを

残業後回しで読みちぎる。
まずは9月にまとめて衝動買いしてしまっていた桐野夏生作品。

水の眠り 灰の夢 (文春文庫)

水の眠り 灰の夢 (文春文庫)

名探偵村野ミロの父親の話。全共闘だとかハイミナールだとか、あとは(行ったこと無いけど)新宿とか銀座とか、読んでるだけでその時代が想起される。
ただし若干35歳の私がそのような風景を知るはずもなく、その雰囲気はかつて入手した永島慎二のマンガ「フーテン」による勝手な記憶の捏造なのだが。
フーテン(全) (ちくま文庫)

フーテン(全) (ちくま文庫)

はい次。
錆びる心 (文春文庫)

錆びる心 (文春文庫)

何事に関してもこれほど丹念に自分自身の心の揺れや判断やなんやかやを観察したことはなく、それいぜんにそんなダイナミックな出来事に遭ったことが無いのじゃないか、もっと言うならそうした劇的な事柄が我が身に起こることを上手に無意識に回避し続けてきたことが積もり積もった35年。もしも万が一このlogをよんでしまった後でまかり間違って私めと対面したとしても「ああ、なるほどね。納得。」というほど薄っぺらい人生(って言葉を使うのすら勿体ない)を消費している私にとって、残念ながらこれまでもこれからも自分自身の「錆びる心」になんて無自覚に過ごしてしまうんだろうなとおもうと少し寂しい。
続いて、年末に秘密の内職でいただいた図書カードで購入した本の中から
「失敗学」でおなじみ(って私だけ?)畑村氏の
直観でわかる数学

直観でわかる数学

はっきり言って数学に興味はあります。わかりたいと思い続けています。時間は割いていないけど。
ですが、このほん、ものすごい不満足感を抱いてしまいました。
数列とか、微分積分とか、三角関数とか、それぞれきちんと取り上げてはあるのですが、「これ読み終わったらもう一回数学の教科書読み直してみ、そしたらわかりやすくなるから。」と突き放されちゃって、どれもこれも中途半端。もう一歩踏み込んでよ。という感じです。
高校数学の教科書(どんなのだったか忘れましたが)に踏み込むとき、つまずいたときに踏み台にすればよいのかな?この本は。いずれにせよ私には物足りない。多くを求めすぎなのでしょうか。
そして最後に白川静博士監修のこれ。
神さまがくれた漢字たち (よりみちパン!セ)

神さまがくれた漢字たち (よりみちパン!セ)

理論社YA(ヤングアダルト)新書です。「中学生以上すべての人」対象だと言うことで、ほとんどすべての漢字にルビが振ってあります。白川文字学にふれたことのない方にはぜひ一読して欲しい。漢字を通じて古代の社会を垣間見せてくれます。