人にきけないことがある

なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか

なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか

職務上、なぜだか子どもたちの絵を目にする機会がある。毎週10枚ずつくらいか。
職場の同僚とともに、毎度ほほえましく感じながら見ているのだが、なかに違和感を感じざるを得ない作品があることは否めない。
著者は「子どもは手をかけるほどいい子に育つというのは、幻想にすぎない」と締めくくっているが、私と同世代の親たちはこの幻想にすっぽりはまっているように思う。田舎なんだけれどもみんな何かしらに追われている。子どもを放っておくことが不安でならぬようだ。
子育て真っ最中の職場の同僚に、つい「おたくの坊ちゃん嬢ちゃんの絵はどう?」と聞きそうになってしまった。
あぶないあぶない。
田舎も都会もなく、世代を串刺しにして進む大きなマイナスのムーブメントだ。
不幸にして私にはヨメも子もいない。
果たして我がヨメ、子に出会った時、私はどんな連れ合いとなり父となれるのか。
またひとつ耳年増になりつつ、不謹慎にもドキドキワクワクしてしまうのであった。