雨が降るので

恥ずかしながら、休日の目覚めはことに良くない。
良くはない。が、今朝は割合早めに目覚め、「早起きは三文の得」を実証すべく洗顔歯磨き朝食を優雅に済ませた。
特段なにか予定をしているわけではないが、日中の時間がたくさんあるのは単純に嬉しかったのだ。
さーて、こんな雨模様の日はなにをしようか。映画でも見ようか、美術館博物館巡りも良し。
などと思いを巡らせつつ、コーヒーを立てつつメールチェック。
ふと室内を見回すと、いつの間にやら視界に入ったこの本。

今夜、すべてのバーで

今夜、すべてのバーで

「すがすがしい朝に中島らもはないだろう」
とは思ったのだが、もうたまらぬ。今日は外出はヤメ。
読み終えて気付いたのがこの本、初版発行は1991年。14年前だよ。懐かしい。当時私は大学の3回生だったのだ。
ようやく安定収入を得ることになったバイト先、ビジネスホテルの夜間フロント勤務につく直前、必ず本屋に立ち寄るのが日課になっていた。おそらくその時代に購入したものだ。
酒とタバコを覚え、女も覚えて(なんて粋がってみたかった)、ようやく世間ってやつの存在を感じつつあった時期に、「エキサイティング」とか「エネルギッシュ」「ポジティブ」とは縁遠そうな、「中島らも」の存在にふれてしまったのだ。
すぐさま嵌った。当時その直後くらいに
僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 (集英社文庫)

を購入。いまもわが家のどこかにあるはず。この本にも相当手あかが付き、表紙はぼろぼろになるほどに読んだあとがあるはず。これらの本にふれることがなければ、とふと考えてしまうのであった。
良いか悪いか、良いに決まっている。でなきゃ今の自分は出来上がっていないのだから。

この勢いで、外出中止。続いてこんな本を手に取り、ちょいとスピリチュアルな世界に思いをはせたり、ウクレレを爪弾いたりしているうちに夜になっちまった。雨も降っている。あいかわらず。

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

来る月曜日に向けて、どういう意味があるかは分からぬが、読書って楽しい。