地元の公民館で

私の地元には築30年くらいにはなろうかと思しき公民館が建っている。
ご多分に漏れず、この町の財政も破綻寸前なので、とてもじゃないがこの古い公民館の立て替えなどはあり得ない話である。
そんな公民館ではあるが、先だって、ロビーの模様替えが行われていた。
以前はロビーのど真ん中に本棚が何列かしつらえてあり、本好きの私としては、立ち寄って古〜い古い本を物色したり、恥ずかしくて本屋で手にすることができない絵本をブラウジングするのにもってこいだった。
決して嫌いな雰囲気ではなかったのである。
そんなロビーが、ある日突然広々としたくつろぎスペースとなっているではないか。
「そうか、こうなるんだ」
公民館長さんの地味な努力が忍ばれる。きっとたくさんの人が集うようになるに違いない。せっかくだからなって欲しい。
というわけで、ちょっとだけ整理された本の中から一冊借りて帰った。
地元の図書館は夕方17時には閉館してしまうため、22時まで開館している公民館の本はたまに助かる。
わが家から車でぶっ飛ばして30分走ると24時間開館している図書館があるにはあるが、車で5分には叶わない。蔵書は少なく、古く、未整理ではあるが。
今後、この公民館がどのように変わっていくか見届けるためにも、自分自身がもう一度ロビーに足を踏み入れる口実として、今夜は本を借りていくのだ。