そろそろ部屋にこたつをだそうか

などと思いながら部屋の掃除に取りかかった。
積ん読本の山を崩しにかかったところ、読みかけだった佐野眞一著「阿片王」を手にしてしまい、結局掃除はそれっきり。

阿片王 満州の夜と霧

阿片王 満州の夜と霧

佐野眞一氏の著作としては、先にも「遠い山びこ」や「東電OL殺人事件」「宮本常一が見た日本」などを立て続けに貪り読んだ時期があり、その勢いでついAmazonに注文してしまっていたのだ。そして眠らせていたのだ。
佐野氏の著作を読んでいると、実際に自分自身も取材先に同行しているような臨場感がある。著者とともにある感じ。
著者の筆で描き出されていく事実を、すぐソバで見ている感じ。起こったであろう出来事が明らかになっていく過程が楽しいのだ。私にとって。
遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年 (新潮文庫) 東電OL殺人事件
もう一冊、読み始めたついでに手にしたのは小野不由美作品「魔性の子
魔性の子 (新潮文庫)

魔性の子 (新潮文庫)

彼女の作品を手にしたのは、伝奇小説にこった時期、板東眞砂子作品を読みちぎって少々食傷気味となっていたときに学生時代の後輩から「長いけど小野不由美の『屍鬼』ってのがおもろいでっせ」と紹介されそれは是非読まねばならぬとなぜか使命感に燃えてはみたものの現金の持ち合わせも預金の余裕もいずれも無かったため通常であれば無理してでも本屋で購入してしまうのが常である私が不本意ながら図書館で借りて読んだのが最初。上巻下巻を一期読みした記憶がある。でも正直なところ主人公たちが聖人君子然としてるし思慮分別がありすぎるし何より賢すぎる感じがちょいといただけなかった。読後にはほとんどすべての疑問が解決されてしまっているすっきり感が私にはいただけなかったのだろう。
そんなことはすっかり忘れていたのだが、読み終えてから思い出した。
屍鬼〈上〉 屍鬼〈下〉