愛犬が逃亡

夕方、携帯電話に伝言が記録されていた。番号は母所有携帯電話からのもの。母が携帯電話を使い始めたのはここ数カ月である。過去にも伝言が入っていたことはあるが、これまではことごとくささやかで取るに足らないもので携帯電話を所有しはじめたうれしさを伝えたくてたまらないといったカワイイものだった。
伝言が入っていることに気がついたのは運転中だったこともあり、今回もそんなものだろうと高をくくって、しばらく放置した後に聞いてみた。
聞いてびっくり。我が家の愛犬が逃亡したとのこと。しかも、首輪につないである2メートル近い鎖もろともだと言う。
警察、町役場、近所の団体に愛犬の特徴を伝え、連絡をお願いし、希望と絶望を半分ずつ抱きつつ近所を走り回った。目撃証言は得られたものの、決定的な情報はない。
獲物であるイノシシを追い始めたら見境なくなるのが猟犬の性(さが)。愛犬を連れてイノシシ猟にでかけるおやじどもは、こうした犬の性質を「猟欲がある」「猟欲がない」と評価する。(猟欲があるおやじたちならではの発言だ)
さて我が家の愛犬、猟欲は人一倍(いや犬一倍)強い。目指すイノシシたちが活躍するのは夜間。従って、愛犬がイノシシを追い求めて活動するのも必然的に夜間。我らの手には負えぬ時間帯である。
残念でならぬが、徐々に日は暮れてしまったので今夜はあきらめて帰宅。