一段落

担当している月刊冊子、ようやく校了
「もしも私に胃があったならすでに胃潰瘍」「髪の毛が抜け落ちる思いで作っています。抜け落ちる髪の毛が既に無いのが幸いですが」
印刷会社の営業マンや、所属組織の同僚にこんな軽口を叩きながら毎度綱渡りのようにして作成しているが、どちらも本心であるから始末が悪い。
自損事故から3カ月、都合2冊の冊子を発行したが、担当して3年と半年、ようやく上手に仕事をする、ということを考えるようになった。
愛用している(と書くほど上手には使っていないと思うけれども、とにかく楽しく使っている)2006年のほぼ日手帳で見つけたディズニーのエピソードがしみる。

ディズニーは、すでに無声映画時代から絵を描いていません。
あとの半生は、優れた才能を集めてイメージを伝え、しかもその人たちの能力を、過酷なまでに、実に見事に引き出したわけで……
そういうアンサンブルを作り出すことに徹していました。

彼が「絵を描かない」と決めた判断力はすごかった、とぼくは思います。
なぜならそのことによって、ディズニー自身が「自分で描いていることの狭さ」から脱出できたのですから。