お隣さんからお歳暮ついた

引っ越していったお隣さんからお歳暮が届いた。
我が家では、行きがかり上このお隣さんから田んぼを預かり、ここ数年耕作をしている。
父が倒れた今年、大変難儀をしながら田植えから収穫までをなんとか終えたわけだが、そろそろ来年の我が家と借りている田んぼの稲作をどうするか決めなくてはならない時期。
稲作作業そのものは、国内にまだまだ大量に兼業農家が存在していることで分かるとおり、結構簡単なのである。農繁期は確かに存在するが、少々手を抜いたってできるもんだ。作業の手順は多いし、タイミングがシビアな作業もあるにはあるが、今年稲作1年生の私にだってできたのだから、推して知るべし、である。
我が家の場合、問題は父の存在だ。私一人ならばできることも、父がいるばっかりに取り掛かれなかったりすることが多々ある。
実際にこんなことがある。
来年度の稲作に向けて、多くの稲作農家では田んぼに肥料を振り、イネの切り株や稲ワラが分解されるように秋の間に耕してしまう。
私も真似して済ませてしまいたかったのだが、高次脳機能に障害を持つ父が「トラクターの運転くらいできるわい!(想像)」と言い出して聞かないのだ。できるかもしれないけれども運転操作をさせることにためらいがあるため、トラクターのキーは隠してあるのだ。父の機嫌を損ねるとやっかいなので、結局この秋、トラクターを動かすことなく年を越しそうである。
母とふたりで来年度の稲作についてや借りている田んぼのことについて話をしたいのだが、そうした農作業の話題を聞きつけた父は半分パニックになって「ワシがやるから任せとけ!」の一点張り。とても相談の余地がない。
「息子である私に任せてくれ」というのだが、全く聞き分けてはくれない。農作業以外にまったく趣味がない男であったということがよく分かった。