祖母のともだち90歳

同居している祖母は93歳。まだまだ長生きしてもらわなくては困る。
年明け早々から、私、母、父(認知症)、祖母の順に風邪をひいてしまった。ただしくは、発熱やせき、くしゃみ、鼻水など、風邪の諸症状に悩まされている状態にある。誰も医師の診断を受けていないのでどんなウイルスの仕業か、ノロウイルスの仕業か、はたまた未発見の新たな病によるものかは分からないが、今のところ死に至るほどの症状は出ていないので大丈夫だろう。
そんな最中に悲報が一件舞い込んできた。
祖母の友人が亡くなった。近所に住んでいて、一緒にずっとゲートボール仲間で、おそらく約半世紀以上ずっと仲良しの友人。私自身の同級生のお婆ちゃんでもある。享年(たぶん)90歳。祖母の友人は近所に何人かいるのだが、もっとも仲良しだったのだ。同級生のお婆ちゃんであるが、わたくし自身のお婆ちゃん同様にかわいくて仕方がない、ユーモアのある方だった。寂しくて仕方がない。
葬式を前に、祖母は生前仲良しだった何人かと連れだってお悔やみに向かうというので、職場の昼休みを利用して連れて行った。
既に耳は遠いし、歩みはおぼつかないし、目は霞んでいる祖母だが、先方の玄関先で気丈にお悔やみの口上をつらつらと済ませてしまう祖母。その小さく丸くなった背と、出迎えてくださった同級生のお母さんの顔を見ていると、不覚にも落涙してしまった。
また一つお迎えが近づいてしまったな、祖母に。だんだんと、仲が良かった友達が「あの世で待ってくれている」というセリフに真実みが増してくる。寂しいけれど仕方がない。
行きがかり上、わたくし自身もお悔やみを申し上げ、お顔を拝ませてもらった。