ホタル

手帳をめくっても、今シーズンはじめてホタルを観察した日が書いていない。なんということ。
我が家の前を流れる川沿いにはホタルが非常に多いらしい。これは手放しで喜んでもいいのではないか。最近、素直に喜んだりうれしがったりできない天の邪鬼体質になっている。我ながら寂しいことである。
ともあれ、まだまだ観察できそうである。
先週くらいに、一度だけ所有しているデジカメを携えて川べりを歩いてみたのだが、その夜は風が強くてホタルがどんどん飛翔する環境ではなく、すぐに諦めて家に引きこもってしまった。
さて「今日こそは」と意気込んでみた矢先に、失語症で高次脳に機能障害を持ち、自分勝手で癇癪持ちの父から「風呂に入れ」という意味の声がかかった。
なぜホタル撮影ができなかったのか、その理由がようやく分かった。ホタル撮影にとっておそらくベストのタイミングである薄暮の時間帯、7時半ごろになると、必ず「風呂に入れ」指令が出ていたのである。
今夜は父の言うことなど聞いてやらない。