冬の風物詩

わが家のガレージにイノシシがぶら下がった。狩猟解禁である。10年ほど前まではわが父が喜々として殺生をしていたが、いまは昔である。父の弟が狩ってくるのだ。あり得ない光景ではあるが慣れっこだ。
中国山地では、イノシシによる農産物被害がひどい。原因はいくつも考えられるが、猟師が減っているのもひとつの要因らしい。そりゃそうだろう。10数年前までならば、イノシシ1頭仕留めたら、わが家のガレージで何人もの猟師が勝利の美酒を酌み交わしていたものだ。いまやとんと集まらない。(もちろん病に倒れた失語症の父に遠慮もあるし、なにより父と絡むのが鬱陶しい)
加齢によって狩猟免許を返上してしまう人ばかりだし、新たに狩猟免許を取得したという話も聞かない。イノシシ猟師も保護しなくちゃ、狩猟にまつわる知恵と技術も途絶えるのだろうな。少しもったいない。