長年の宿題

約20年前、学生時代、所属していたゼミの教授はしきりに一冊の本を学生である我らに薦めてくださった。

紹介された当時はさほど興味もなかったのだが、ふと思い出して読みたくなってしまったのだ。文庫本は絶版になって久しいようで、長らく古本屋で探し続けていたのだが、ネット通販で発見し、即購入、読了。
紆余曲折を経て39歳で仏門に入ったお坊様が、命を賭して臨んだ二千日回峰行に至る記録。
これを勧めてくれた教授は、しきりに「このお坊さんが一日に摂取するのは1500キロカロリー、回峰行中は一日40キロメートルを歩く。これは最低でも2000キロカロリー基礎代謝1300キロカロリーをあわせると一日で1800キロカロリーのマイナスだ!一見科学的には不可能だと思われるが何らかの身体的な作用が働くんやろね。ふしぎなもんやね。鍛え方がちゃうんかな」などど研修者であり自らもマラソンランナーとして身体能力や心身の働きに人一倍興味を抱いておられた教授らしいコメントをしておられたのが未だに記憶に残っている。
20年越しに読み終えたが、相変わらず色あせぬ魅力を持つ本である。ことが小さかろうが大きかろうが継続することには困難が伴う。しかしなにがしかの結果やなにがしかの力は継続することでしかぬまれ得ぬ。さて私はなにをしてきたのだろうか。そしてこれから何かをなし得るのだろうか。ひとまず腹筋背筋とスクワットトレーニングをしておこう。