胃瘻(いろう)、是か非か

読売新聞紙面で、医療・介護状態の患者に対する胃瘻造成手術の是非についてのルポが掲載されている。
脳梗塞(こうそく)の後遺症でのどの飲み下し能力がマヒしてしまった祖母に胃瘻造成手術を施してもらったのは今年1月29日のこと。胃ろう造成自体は一時的なもので、訓練によっては再び口から食事が取れるようになる(可能性はある)との説明は受けていたし、結果的には手術を施すことに同意はしたが、依然として釈然としない気持ちは抱いたままだ。未だに祖母に対する罪悪感を抱き続けている。もっともこれは彼女を療養病床に預けっぱなしであることに由来するものが大きいのだが。
こうした気持ちは、長い安穏な日々を経てようやく遅蒔きながら私にも巡ってきた命についての学びの機会特有のものなのだ。きっと。おそらく、近親者を始め失いたくない人を見送ってきた世の中の諸先輩たちが、きっと同じように抱きながらもそんな辛さを周囲には感じさせることなく、胸の奥に秘めながらもまっとうな社会人として日々淡々と生活しているように。