父の担当言語聴覚士さんの訪問記録

高次脳に機能障害を持ち、失語症を患っている父の担当言語聴覚士さんの連絡帳を見てみた。そんなにたくさん書いてあるわけではないが、我ら家族には今のところ見せてはくれない父の一面が分かるので非常に貴重な記録になっている。数カ月ぶりに見てみると3月12日の記録には「落ち込んでいる様子」と書かれていた。我ら同居家族には厚かましかったりわがままだったり横柄だったりと、全く良い面を見せてくれない父は、美人で優しい言語聴覚士さんや看護師さんの前ではおおむねしおらしく聞き分けよくご機嫌で過ごしているようなのだが、3月12日だけはいつものお調子者ぶりはなりを潜めていたようなのである。
さてこの日は何があったのだろうかと思って調べてみると、わが家の愛犬タロウの命日。そりゃさすがの父も落ち込むはずである。同居家族以外のいうことや、自分に関係する事柄には鋭敏にしているのだと思う。