ニューマシン

我が家に電動アシスト付き自転車が現れた。失語症で高次脳に機能傷害をもつ父がホームセンターで交渉の末に購入したらしい。なかなかやるではないか。
しかし正直なところ彼が一見回復していくように見えちゃうことで逆に不安は高まるばかり。運転とか操縦とかができるようになることで、社会に迷惑をかける可能性が高まると思うと、彼の独り歩きとか自立とかを全く喜べないのだ。
脳梗塞の後遺症で視界が狭まっている(らしい)こと、認知・判断能力に問題があることなどから、本人が痛い目に遭うだけならともかく、万が一事故に巻き込まれた場合に「なぜクビに縄付けておかなかった!」なんてことが起こるんじゃあないか、そればかりが心配なのだ。父はどうなっても自業自得だが相手にとっては迷惑千万な話しだから。
父の「ワシ、できるもんね」ていう自己認識は非常に怪しい。我ら家族に対してはただ強がってるだけの場合が多すぎる。「○○さん家はあんな○○老人を野放しにして…」なんて後ろ指指されたりするんじゃあなかろうか。ただ、こんな心配しても当の父本人には一切通じないし「自転車は…」とか「草刈機は危険だから…」「チェーンソーは…」とか言おうものなら直ちに逆ギレして手がつけられんことになるし。悩みは尽きない。
願わくば、我が家の周りを通行する皆さんに「おかしなオッサンおるからくれぐれも気をつけて」とだけは言っておこうと思う。