ヘルニア

と書くとなんだか洋風であるが、要は脱腸のことである。
失語症で高次脳に機能障害をもつ父、新たに脱腸症状が現れていることが発覚。もちろんワガママで我らの前では泣き言すら言いたくない父のこと〜実際には「お供え用のおやつがないんじゃ」とか「わしゃモノを言われんのじゃ」と泣きそうな顔で癇癪を起こして訴えることはままあるので『泣き言を言わない』わけじゃないのだが〜これまで我慢してきたのか痛くなかったのか全く判らんが、毎週1回通所している老人デイサービスセンター職員の方が発見して知らせてくれたらしいのだ。
医者の見立てによると、もちろん脱腸である。鼠径ヘルニアとでも呼ぶのだろうか、とにかく対処はしておくべきらしい。
またしても問題になるのが、父が服用を続けているワーファリン(経口抗凝固剤)のことだ。なにがしかの手術に際しては、術後出血が止まらぬようなことがあってはならないため服用を停止せねばならない。そうすると、手術の最中に再び三度の脳こうそく再発が懸念されるのである。
さて、どうするか。父の症状や性格や行動パターンを考えても悩ましい事態が生じてくる頻度と深刻度は高まるのだろうと思うとかなり憂鬱ではあるが、おそらくこういうことにも慣れていくのだろう。それは寂しいことだとは思うが。