妹が帰ってきてた。

毎度わたくしが所有している本(ほとんどマンガ)やDVDを物色しては「貸してね」と持って帰るのだが、今回はオススメ本を一冊渡す。

Say Hello! あのこによろしく。 (ほぼ日ブックス)

Say Hello! あのこによろしく。 (ほぼ日ブックス)

この本、脳梗塞(こうそく)で倒れて入院している知人のお見舞いに持って行ったのだ。2冊買い求め、1冊は彼に、もう1冊は自分用に。
この本、おそらく私めが言及するまでもないだろうが、から生まれた単行本である。
知人の症状は、良くある脳梗塞の症状なのだ。よく命が助かった。半身不随であるが。
彼を知る人たちは、「お見舞いに行っても面会できないかも」とか「かなり落ち込んでるらしい」などと噂しており、正直言って私めもどのツラ提げて、なんの話題を持って行けばよいかかなり悩んだ。これまであんな(がどのくらいかはわからないだろうけれど、とにかくかなりエネルギッシュ)に頑張っていたにもかかわらず、すべてが頓挫してしまった彼の重すぎる境遇に、何を語れるのか。「お座なり」ってのができかねる私、そうしたシーンでは配慮が足りない私。よく言えば正直、悪く言えばいい年して世間を知らなすぎる私のこと、真剣に悩んだ。悩んだ末の選択がこの本。楽しく、切なく、嬉しくて、すこし寂しいこの本が、彼の鏡になってくれれば良いなと思ったのだ。ぱらぱらめくるもよし、読み捨てて看護婦さんにあげるもよし。所詮プレゼントなんて自分自身が自分本位にするもの。だから、自分にとって一番のものは他人にとっても一番だと思ってあげたのだった。
妹は喜んで「いや〜ん、カワイ〜」などといいつつ持って帰りおった。