「興味ありませんので」というと、同僚は露骨にいやな顔をした。ように見えた。

今夜はワールドカップサッカー代表予選の日。日本対バーレーンですか?
小中高と延々野球漬けだったくせに、なんでサッカーまで詳しいの?
そんなにスポーツ好きなのに、血糖値高すぎるんじゃない?
ああ、スポーツ観戦ですか。好きなのは。
ええ、ほとんど興味ないのでサッカーの代表選手も知りませんが、それがなにか?


なんで日本代表選手の名前を知らなかったり、ここ数年の選手の動向を知らないくらいで「けっ、このモグリが」みたいに見られなくちゃならんのか。
「世間じゃ常識」ってあなたは言うけど、うちの父母祖母もたぶん知らんもんね。

などといった職場でのやりとりを終え、午後7時過ぎに帰宅すると、テレビのチャンネルはサッカー中継にロックオン。
知らん、分からんなりにも楽しいものだし、いざ見始めると日本チームのプレーに一喜一憂している自分がいるじゃないか。おめでとう、日本代表のみなさん。
今夜の試合中継中、なにが面白かったかというと、わが家の祖母(92歳)がサッカー中継を見ながら必至にルールを理解しようとしていたこと。
「黒い人は手を使っていいんだねぇ」
「青いのが日本かい?」
バーレーンオウンゴールを見て一言
「赤いのが入れても点にはなるんだねぇ」

分かってるじゃん、ばあちゃん!