平成16年度最終日の過ごし方

いつものように目覚め、いつものように布団の中でうだうだした後、ごそごそと起き出し、ここ8年はそうしてきたのと同じ手順で身繕いをする。
昨夜は11時前に就寝し、就寝前には「ちょっと(小一時間くらいは)早起きして新聞読んでさらに読みかけの本を少し紐解きつつ湯を沸かしコーヒーをいれ、気持ちの良い朝を迎えるのだ」と言い聞かせたのだが、万年床のあり得ないほど冷たく不愉快な心地よさにまけてしまう。
そんな情けなさも含めて「おいらがおいらを愛おしく思ってやらなくちゃ誰がおいらのことを『いててよし!』って言ってくれるのだそうだおいらしかいないじゃないか」などと無理めの自己肯定をしつつ、惰眠を貪る。
そしていつものように出勤。
いつものようにデスクまわりをちょいと拭き掃除しつついつもと変わらぬそぶりの同僚たちといつもと変わらぬ業務にかかる。
がしかし、今日はいつもと違うのだ。
年度の最終日、これまで同僚だった彼と彼女が我が職場からいなくなる。
前職を辞する時、不覚にも若気の至りで「二度と会えない訳じゃないんだから」なんて別れ際に言いはなってしまったことについて、結構後悔している私。
「二度と会えない」は正しくなかった。
「会わない」のだ。物理的にも心理的にも遠すぎる。躊躇している間に老いさらばえてしまうし。
そんなことを思いつつ、彼ら彼女らが発する退職に際して「今後ともよろしく云々」を聞いているのが辛い。
すぐに彼らがいたことなんて忘れてしまうのだ。そういう人間なんだもの。薄っぺらいし、人として。
毎年別れと出会いのシーズンになると一応反省をしてみるのだ。全く懲りないけれども。
彼ら彼女らの門出に際して贈る言葉は「絶対に忘れないなんて言わない。でも覚えておきたい。無理かもしれんけど」
とても言えません。