イノシシ被害を食い止めろ!

近所では、早い方なら7月末、遅くとも8月盆前にはイノシシ被害防止のための電気柵を田んぼの周りに張り巡らせるのが定番であろう。農作業というのは、植物動物の生態に即した作業の適期を守ることが非常に大切で、時期を誤ると逆効果にすらなるようなこともある(に違いない。具体的に例を挙げろと言われると困ってしまうが。)
そんなことは百も承知のうえで、ようやく我が家の田んぼに遅蒔きながら電柵設置作業にかかる。完了するのは明日の午前中になるだろうが、とにかくこれで一安心といきたいところ。
ただしこの電柵も絶対確実とは言い難いのが辛いところ。せっかく設置しても、ちょっと雑草が伸びすぎると電線に触れて漏電をしちゃうし、高すぎたり低すぎたり張り方がまずいとイノシシに効果が及ばないのだ。
去年までは、高次脳に機能障害を持ちながらもなんとか父が奮闘して張ってくれてたのだが、なぜか今年は一切手出しをしようとしない。それでいて私と母が汗だくで作業をしている横に近づいてきては「張り方がへたくそだ」というような意味の怒声を浴びせてくる。文句があるのなら自分でやってくれ!と言うのだが、ひとしきり怒鳴り散らしたら満足するのか、またふらふらとどこかへ行ってしまった。「ああ家主の威厳を保つための精いっぱいの虚勢なんだ」と、彼の怒声に対して腹が立つのをグッとこらえる。一時が万事。何事につけ顔を合わせればこの調子。腫れ物に触るように過ごす母と私の辛さは傍目からは全く理解されないんだよね。たぶん今日のようすを遠目に見ると「親子3人で仲良く農作業してるよな、ああご当主は脳梗塞患ったらしいけど完全復活してるじゃないか。よかったよなあ農作業できて」となる。良いはずはないんだけれどね。われらにとっちゃ。